今治タオルとは?世界に愛される魅力を創業92年の今治タオルメーカーから発信

創業91年の今治タオルメーカーが伝えたい、今治タオルの魅力
ふわふわで上質な触り心地の今治タオル。 大切な人へのギフトとして人気ですが、「贈ったことはあるけど、自分ではまだ使ったことがない」という方もいるのではないでしょうか。
今回は創業91年を迎える今治タオルメーカー・ハートウエルが、今治タオルの魅力を紹介します。
この記事はタオルソムリエが監修しています。
今治タオルとは
今治タオルとは、愛媛県の今治市で生産されたタオルのことを指します。 国内で製造されるタオルのうち5割は今治市で作られていて、今治タオルは国外にも人気が広がっています。
吸水性に優れているのはもちろんのこと、一般的なタオルと比べてやわらかく、ずっと触っていたくなるような手触りが魅力です。
今治タオルの歴史
現在では広く知られている今治タオルですが、およそ120年前の明治時代から製造され、その長い歴史の中で衰退の危機を迎えたこともあります。
今治は昔から綿織物が盛んな地域で、伊予綿ネルと呼ばれる綿織物を製造していた阿部平助が、1894年(明治27年)にタオルの製造を始めたのが今治タオルの歴史の始まりと言われています。
今治タオルの生産のピークはバブル期の1991年で、当時の年間生産量は5万トン以上でした。
しかし2006年頃になると、安価な海外製のタオルの流通が増えたことにより、今治タオルの生産量はピーク時の5分の1まで激減してしまいます。
そこで立ち上がったのが、今治や今治タオルのブランド化と再生を目指す「今治タオルプロジェクト」です。
国の「JAPANブランド育成事業」の認定を受けたこのプロジェクトは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がディレクションを務めました。
今治タオルプロジェクトによって生まれた「今治タオルブランド」やそのロゴマークですが、これについては後ほど紹介します。
今治タオルプロジェクトが始まった4年目にはタオル生産量が回復し、売上も順調に伸びていきました。 一度は産地消滅の危機まで陥った今治タオルですが、今では世界的に有名なタオルとして、国内外問わず人気を集めています。
今治タオルのこだわり
今治タオル特有の吸水性や手触りは、今治の風土、そしてこだわりの製造法によって生み出されます。
■今治の気候と水
温暖な気候と豊富な水に恵まれた今治は、タオルの生産に適した環境だと言われています。 特に、タオル作りには大量の軟水が欠かせません。
今治タオルの産地には、硬度が低く不純物の少ない水が流れていますが、この軟水を使って晒しをすることで、やわらかい手触りや鮮やかな色合いになります。
■染め
タオルの製造では、織った生地を晒して染める「後晒し後染め」が一般的ですが、今治タオルでは織る前の糸の状態で晒して染める「先晒し先染め」が使われます。
後晒し後染めに比べて、先晒し先染めでは綿本来の柔らかさを引き出すことができます。 また多くの今治タオルメーカーでは、ジャカード織り機を使っています。 複雑な模様を織り込むジャカード織りは、プリントに比べて高級感があるのが特徴です。
その他、通気性の良いガーゼ、表面が平らでサラサラしたシャーリングなど、タオルの種類や用途によって織り方も変わります。
今治タオルブランドとは
今治タオルプロジェクトの一環として生まれたのが、今治タオルブランドです。 今治タオルの中でも独自の品質基準をクリアした商品には、今治タオルブランドとしてロゴマークが付けられます。
今治タオルといえば白・赤・青の3色で構成された日の出のロゴマークを思い浮かべるかもしれませんが、実はあのロゴマークが付いているのは、厳しい審査をクリアした商品だけなのです。
今治で作られたタオル全般を「今治タオル」、その中でも品質基準を満たしたものを「今治タオルブランド」とイメージすると分かりやすいかもしれません。
特に吸水性には厳格な基準があり、タオル片を水に入れた時、5秒以内に沈まなければならないという5秒ルールが定められています。 洗濯していない状態でもこの吸水試験が行われるため、今治タオルブランド商品は使い始めたその日からよく水を吸います。
脱毛率についても、基準が設けられています。 通常、タオルは洗濯するたびに毛が抜け落ちてしまいますが、今治タオルブランドなら何度洗っても毛が抜けにくく、柔らかさが長持ちするのです。
その他、変退色や耐性など、全部で12個の品質基準があります。 今治タオルブランドに認定された商品が、いかに質が高いかが分かりますね。
今治タオル組合のホームページでは今治タオルブランド商品検索ができるので、今治タオルをお買い求めの際は参考にしてみてはいかがでしょうか。
ハートウエルのものづくり
ハートウエルの歴史

ハートウエルの創業は1930年。 今年で創業91年を迎える今治市のタオルメーカーです。 商品の開発から製造まで行う一貫生産で、タオルに使う糸の素材開発も行なっています。
「造るから創るへの挑戦」を会社のテーマに掲げ、老舗の開発力や技術力を使い、日々新しい商品を生み出しています。
他の今治タオルの会社との違い
ハートウエルの強みは、開発力。 今治タオルの新たな可能性を求め、商品開発を重ねています。
バスタオルやフェイスタオルといったポピュラーな商品の他にも、夏用COOLマスク、枕カバー、サウナハットなど、日常のあらゆるシーンで今治タオルを愛用していただけるような商品を開発しています。 今治タオルに新たな付加価値を加えた商品は、各種メディアでも話題に。
開発をする際は、コンセプトを元に、カラーリング、デザイン、糸、肌ざわりなど、細部にこだわり企画を進めていきます。
ハートウエルの各商品ページには、制作秘話に関するストーリーを掲載していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
製造では、糸やタオルに優しい織機を使用。 25年以上前の織機が現役で活躍し、ものづくりの伝統を受け継いでいます。
こんなシーンに今治タオルがおすすめ!
最後に、これから今治タオルデビューをしたいと考えている方のために、今治タオルを活用するのにおすすめなシーンを紹介していきましょう。■おうち時間に
家にいる時間が長くなった今だからこそ、生活用品をちょっといいものに変えてみてはいかがでしょうか。
バスタオルやフェイスタオル、タオルケットなどの生活用品に今治タオルを取り入れると、肌に触れるたびに心地よく、気分も上がること間違いなしです。
■外出時の必需品・マスクに
長時間肌に触れるマスクにも、今治タオル素材がおすすめです。 肌に優しいだけでなく、水分を吸収して蒸れを防ぐ、熱を逃すなど、機能性の高い今治タオル素材はマスクにぴったり。
ハートウエルの「接触冷感マスク 冷感マスク」は夏場でも快適に使え、クラウドファンディングで1億円の応援購入を頂いた人気商品です。
■ベビー用品に
やわらかく、汗を素早く吸収する今治タオルは、デリケートな赤ちゃんの肌にも使えます。 さらに、制菌加工された今治タオルなら衛生面も安心です。 今治タオル素材のスタイやおくるみなどもあり、出産祝いとしてもおすすめです。