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今治タオルの認定基準について

今治タオルの認定基準について

皆様は赤・青・白のマークがついたこのようなタオルを見たことがありますでしょうか。
今治ドライ|今治タオル認定マーク
このマークは今治タオル工業組合の組合員企業が製造した「今治タオル」(地域団体商標「今治タオル」)商品のうち、今治タオル工業組合が独自に定めた品質基準をクリアしたタオル商品にのみ付けることのできる今治タオルブランド認定マークです。
実は、今治で製造されたタオルが全て「今治タオルブランド 認定商品」となるのではないのです。(もちろん、タオルのデザイン性などからあえてマークをつけていない今治産タオルもあります。)

今日は、今治タオルブランドの認定基準や、その試験内容を紹介します。

今治タオルの認定基準・試験内容

〇タオルの特性

今治タオルは最大の特徴である吸水性に加えて、パイルの脱毛率・パイルの保持性の基準が定められています。
それぞれの試験内容を紹介します。

①吸水性試験

今治タオルの最大の特徴といえるのは「優れた吸水性」です。今治タオルの吸水性試験は未洗濯・3回洗濯後の計2回検査を行います。
合格基準は水にタオル片を浮かべて5秒以内に沈むことができたら合格です。未洗濯時・3回洗濯後の両方試験に合格しないといけません。

②パイルの脱毛率

タオルは洗濯をする際に洗濯もの同士の摩擦などによって、毛羽抜けをすることがあります。毛羽が落ちるほどタオルは痩せていくので、より長く、良い状態でタオルを使ってもらうために毛羽落ち度合の試験は重要な項目です。
検査方法として、タオルの重さを量った後、規定で定められた方法で洗濯をします。次に、洗濯時に抜け落ちた毛羽を回収し、その重さで試験を行います。
毛羽落ちした割合が、以下の基準を満たしたものが合格となります。

  • ・通常の糸を使用したもの:0.2%以下
  • ・無撚糸を使用したもの:0.5%以下
  • ・シャーリング加工をしたもの:0.4%以下

今治タオル|もこもこ365

③パイル保持性

タオルのパイルが摩擦によって抜けないかを評価する試験です。
摩擦試験機を用いて、摩擦台のゴム板の下にパイルが下を向くようにセットします。
一定の荷重をかけながら、耐水研磨紙で多方向に500回摩擦試験を行い、摩擦試験を行った部分から残存しているパイル、抜け落ちたパイルの質量をそれぞれ計量します。
計測結果が下記以上が保持されていた場合のみ、合格となります。

  • ・バスタオル・タオルケット:2.45CN/パイル以上
  • ・フェイスタオル・ウォッシュタオル:2.16CN/パイル以上

〇染色堅牢度

タオルの色移り、気になりますよね。
染色過程を経た今治タオルは、洗濯や摩擦によってどのぐらい色落ち・色移りがするか試験を行っています。

内容は耐光・洗濯・汗・摩擦の項目に分かれています。
また染色堅牢度に関しては、1級~5級に分類をされ、1級に近くなるほど色落ちや色移りがしやすくなり、5級が最高級となります。

①耐光試験

光の作用による変退色の程度を検査します。
6.5㎝×4㎝以上の大きさのタオルに紫外線カーボンアーク灯光の光を照射し、変色具合を確認します。4級以上で合格です。(パステルカラーや淡色は3級以上で合格)

②洗濯試験

洗濯による色の変化・色落ちを確認する試験です。
専用の洗濯機を使用して30分洗濯。すすぎ、乾燥後に判定を行い、4級以上で合格となります。

③汗試験

汗の作用による色落ちや変色を試験します。
ます、酸性とアルカリ性の2種類の人口汗液をタオル片に染み込ませます。
そして、一定の過重をかけながら乾燥させます。タオル片が乾燥した状態で判定を行い、4級以上で合格です。

④摩擦試験

タオルとその他の洗濯物の擦れによって、他製品への色移りの度合いを確認する試験です。
乾燥試験と湿潤試験の2種類があり、摩擦試験機を用いてそれぞれ100回摩擦をした後に判定します。
乾燥試験4級以上、湿潤試験3級以上で合格です。

〇物性

タオルの洗濯イメージ

タオルの使用時や洗濯時に引張やねじり、圧縮などの力がかかることがあります。この試験では、かかる力に対しての抵抗力を確認していきます。

①引張強度試験

縦・横に試験機で引っ張り、引っ張る力に対してのタオルの強さを確認します。
破断するまで引っ張り、その際の最大値を計測。縦が147N以上、横が196N以上で合格です。

②破裂強度試験

タオルに圧力をかけ、破裂するまでの強度試験を行います。
この試験では、ミューレン型破裂強さ試験機を用いて検査します。規定の張力で15cm角に張ったタオル地に、ゴムで力を加えタオルを突き破る強さの数値を計測します。392.3kpa以上で合格です。

③寸法変化

家庭用の洗濯機に試験タオルの40cm角にしたものを入れ、3回洗濯を行います。三回洗濯をしたあと元のタオルの寸法に対してどのくらい伸縮しているか試験を行います。
計測結果が、±7%以内で合格です。

④滑脱抵抗力試験

メロー巻き時の縦・横の滑脱抵抗力の試験です。
メロー巻きの縫い目部分の付近の糸が滑り、縫い目が開いてしまったりすることをがあります。そのようなことが起きないよう、メロー巻き部分の抵抗力を測定する検査です。滑脱抵抗力ピン引掛け法準用という試験方法で計測します。

試験片を、縦・横方向に3枚ずつ取り、織物引張試験機を用いて糸の引き抜きに対する抵抗力の最大数を計測します。縦20N以上、横30N以上で合格です。

〇有機物質

・ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドというワードを聞いたことはありますでしょうか?
乳幼児向けの繊維商品などで、「ホルムアルデヒド汚染防止シール」が貼られているのを目にすることがあるかもしれません。

水に溶けやすい性質があり、プリント加工を施すときなどにホルムアルデヒド系加工剤が使用されていることがあります。
また、防腐作用・殺菌作用などがあり、衣料品でも加工の際に使用されることのある物質です。しかし、ホルムアルデヒドは、肌に直接触れるとアレルギーなどを引き起こす可能性がある化学物質でもあります。

今治タオルの認定試験では、アセチルアセトン法でホルムアルデヒドの数値を計測しています。
今治タオルとしての合格基準は、繊維に含まれているホルムアルデヒドの数値を0.03以下としています。
法律では乳幼児用の繊維製品で0.05以下と基準が設けられているので、今治タオルの認定品は全て乳幼児用の基準よりも厳しい数値で安全性を確立しています。

安心して使っていただきたいからこそ、細かな基準を設けて厳しい試験を行っているのです。

今治タオルブランドロゴについて

最後に今治タオルブランドロゴついて紹介をします。
CUOLの今治認定マーク今治タオルの本格的なブランド戦略が行われ始めたのは2006年頃です。
今治市では1890年代からタオルの生産が始まっており、ブランド戦略が始まる前からタオルの産地として世界的な高評価を得ていました。
その後、産地についての認知度をより高めるため、ブランディング・プロデューサーとして佐藤可士和氏※が参加し、ブランド戦略が始まりました。

※佐藤可士和氏は日本を代表するクリエーター。 主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン-イレブン・ジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、ふじようちえん、カップヌードルミュージアムのトータルプロデュースなど。(今治タオル公式ブランドサイトhttps://www.imabaritowel.jp/より引用)

今治タオルブランド認定マークが作成されて以降、吸水性と安全性に優れた証拠の証として今なお親しまれているマークです。

今治タオルブランド認定マークの意味

今治タオルブランド」の商品は、赤・青・白でデザインされたマークのタグがついています。それぞれのカラーが持つ意味合いは、以下の通りです。

  • ・赤:活動的、情熱的、先進的、生き生きとした力強さ、動き、インパクトなどをイメージさせる色。今治タオルの存在自体が、社会の注目を集め、日本を象徴する商品のひとつであるという位置づけです。
  • ・青:品質に対する安全と安心、信頼、歴史と伝統、鮮明性、落ち着きなどをイメージさせる好感度の高い色。今治タオルの持つ歴史と伝統を背景とした高品質をシンボライズしています。
  • ・白:やさしさ、清らかさ、清潔感、無垢、癒し、真心、柔らかで慈しみにあふれた愛情をイメージさせるピュアな色。今治タオルの無限の可能性を示唆する広がりを表現しています。

(今治タオル公式ブランドサイトhttps://www.imabaritowel.jp/より引用)

〇裏面にある番号の意味

認定マークの裏面には、4桁の数字が記載されています。この数字は企業認定番号です。
企業認定番号を使って、どのメーカーで製造されたタオルなのか、誰でも確認できるようになっています。

近年では、商品の生産から消費までの過程を追跡可能にする「トレーサビリティ」が一般化してきましたが、今治タオルは「トレーサビリティ」をいち早く取り入れ、商品の安全性を証明してきたといえます。

今治タオル工業組合が運営する「今治タオルブランド商品検索」のページへアクセスし、検索窓に4桁の企業認定番号を入力して検索すると、お手持ちの今治タオルがどのメーカーで製造されたものか確認できます。

まとめ

今治の地で作ったとしても、「今治タオルブランド」として高い基準を合格しないと今治タオルブランド認定マークは付けられません。徹底的な管理をされていることで、小さなお子様にも安心して使用でき、長く使うことができる高品質なタオルを生産することができるのです。

タオル生産地として歴史ある今治だからこそ、織り方や製造方法も工夫した様々な機能性や特徴を持ったタオルがあるのが今治産タオルの良さです。
是非、ご自身で使う用として、大切な人へ贈るプレセントとして今治のタオルを選んでみてはいかがでしょうか。

自社オリジナルの今治タオルを作りたいという企業様や、店舗で取り扱ってみたい!という企業様はこちらよりご連絡ください。
ロットや価格についても柔軟にご相談承ります。

執筆:宮川/編集:木村

 

【参考元】
今治タオル公式サイト:https://www.imabaritowel.jp/
今治タオル認定の品質基準:https://www.imabaritoweljapan.jp/about/quality.html
日本界面活性剤工業会|繊維製品中の微量ホルムアルデヒド分析法の問題点について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/14/6/14_6_250/_pdf
WELL | 今治タオルとは 高品質なタオルブランドとして守る高い基準
https://we-ll.com/blogs/knowledge/220330
岡山市|家庭用品の安全性について 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000019634.html
ホルムアルデヒドとはどんな物質?人体への影響から対策まで徹底解説
https://lab-brains.as-1.co.jp/for-biz/2021/11/36408/

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