引き出物の意味とは? 起源やマナー、品物選びのポイントを解説
冠婚葬祭でよく聞く引き出物とは、本来どういう意味なのでしょうか。本記事では引き出物の意味や起源、一般的なマナー、品物選びのポイントを解説します。引き出物を用意する際に知っておくと便利なので、ぜひチェックしてください。
引き出物とは?
まず、引き出物とはそもそも何かを解説します。引き出物の意味と起源、内祝いとの違いを見ていきましょう。
引き出物の意味
引き出物の意味は本来、「結婚披露宴に出席したゲストへ感謝を込めて贈る記念品」です。しかし現代では少し意味合いが変化し、ゲストからいただいたご祝儀へのお礼・お返しという意味が強くなってきています。ご祝儀1つに対して、引き出物を1つお渡しするのが一般的なマナーです。
また、基本的に「引き出物」という言葉は慶事のみに使われますが、法事でも参列者からいただいたお供え(お香典)へのお返しとして贈る品物を「引き出物」と呼ぶケースが広まってきています。
引き出物の起源・由来
引き出物が始まったのは平安時代。宴を主催した貴族が、庭先に馬を「引き出して」招待客へ贈ったのが起源だといわれています。その後、金品を贈るようになり、宴の招待客へ渡すお土産を次第に「引き出物」と呼ぶようになりました。
昔はお土産として贈るものだったため、招待客すべてに同じものを渡していましたが、現代ではご祝儀の金額や夫婦との関係性を考慮して、品物を贈り分ける傾向があります。
引き出物と内祝いの違い
引き出物と似たような意味で使われる言葉に「内祝い」があります。引き出物は、結婚披露宴に出席したゲストへ、感謝の気持ちを込めて贈る品物のこと。
対して内祝いは、結婚披露宴に出席しない人へ、幸せをおすそ分けするために贈る品物のことです。
近年では両方とも「いただいたご祝儀やお祝いへのお礼・お返し」という意味が強くなってきています。そのため似ているように感じますが、贈るシチュエーションが若干違うので注意しましょう。
引き出物の金額相場とマナー
ここからは、引き出物の金額相場とマナーを解説します。冠婚葬祭のマナーは地域差があるので、一般的なマナーも確認しつつ、お住まいの地域に根付いた慣習もチェックしておくと安心です。
金額相場
一般的に、引き出物の中身はメインギフト(記念品)・引き菓子・縁起物の3種類に分けられます。金額相場は、メインギフトがご祝儀の10%程度、引き菓子と縁起物が1,500円程度です。
そのため、ゲスト1人あたりの合計金額は5,000~10,000円程度となります。ご祝儀相場別に引き出物の金額をまとめたので、参考にしてください。
ご祝儀の金額 |
メインギフトの金額 |
引菓子の金額 |
縁起物の金額 |
30,000円(友人・同僚など) |
3,000~4,000円 |
1,000~1,500円 |
1,000~1,500円 |
50,000円(親族・上司など) |
5,000~6,000円 |
1,000~1,500円 |
1,000~1,500円 |
内容と品数
引き出物の内容は、メインギフト(記念品)・引き菓子・縁起物の3種類に分けられます。メインギフトにはカタログギフトや高級な日用品、引菓子には日持ちするお菓子、縁起物には縁起の良い食料品を用意するのが一般的です。
また、品数はメインギフト・引き菓子・縁起物を合わせて合計3~5点とするケースがほとんど。数が偶数だと「割れる・別れる」などの縁起が悪い言葉を連想させるので、奇数にした方がよいとされています。
しかし昨今では「メインギフト+1品」にして品数を減らし、その分メインギフトを豪華にするケースも増えています。品数や内容は地域差が大きいので、両親に相談するなどして決めるのもよいでしょう。
贈り分けの方法
昔はゲスト全員に同じ内容の引き出物を贈っていましたが、近年では贈り分けるケースが増えています。よくあるパターンは、下記のような贈り分け方です。
- ご祝儀の金額が違う場合が多いため、ゲストとの関係性で分ける
- 好みが違う場合が多いため、世代や性別によって分ける
また、引き出物を贈り分けるときは、相手に気を遣わせない配慮が必要です。あからさまに贈り分けているとわかる形で渡すのは避けましょう。つぎの3点に注意して用意するのがおすすめです。
- 全員同じ紙袋に入れてお渡しする
- 品数がわかりにくい形状でお渡しする
- 同じテーブルに座っている人の品数は同じにする
贈らない方がよい品物
引き出物では、縁起が悪い品物を贈らない方がよいとされています。一般的に縁起が悪いとされている品物は以下の通りです。近年では気にされないケースも増えていますが、念のためチェックしておきましょう。
贈らない方が無難な品物 |
おもな理由 |
割れ物(ガラス製品・花瓶など) |
「夫婦の仲が割れる・壊れる」を連想させるため |
消え物(食料品・洗剤など) |
「幸せが消える」を連想させるため |
刃物(ハサミ・カッターなど) |
「縁が切れる」を連想させるため |
くし |
「苦・死」を連想させるため |
肌着・靴下 |
着るものに困る経済状況を連想させるため、失礼だと思われる可能性がある |
上記のほか、持ち帰るのが大変な重くてかさばる物や、食中毒の危険性がある生鮮食品、新郎新婦の名前・写真入りのグッズも避けた方が無難です。
喜ばれる引き出物選びのポイント
せっかく贈り物をするなら、喜んでもらえるアイテムを贈りたいですよね。ここからは、喜ばれる引き出物の選び方を種類ごとに解説します。
メインギフト(記念品)
メインギフトは、引き出物のなかでもっとも高価な贈り物です。当日持ち帰りづらいものや、夫婦の好みを押しつけるようなものは避け、おもてなしの気持ちで品物を選びましょう。
喜ばれやすいのは、相手が自分の好きなものを選べるギフトや、高級感がありつつも実用的で便利なギフトです。たとえば、次のような品物が該当します。
- カタログギフト
- 高級ブランドタオル
- ブランド食器セット
また、近年では品物選びのマナーが緩和される傾向にあります。そのため、以前はタブーとされていた洗剤や入浴剤セット、ブランド米などの消え物を贈るケースも増えています。
引き菓子
引き菓子は、披露宴のお土産としてゲストへ贈るお菓子です。持ち帰ったあと家族と一緒に食べるので、分けやすく日持ちするお菓子が喜ばれます。
- 焼き菓子(バウムクーヘン・フィナンシェなど)
- 和菓子(紅白饅頭・金平糖など)
上記のうちバウムクーヘンは、生地が何層も重なっている様子から「幸せを重ねる」という意味をもち、とくに縁起が良いお菓子とされています。このほか、新郎新婦が生まれ育った土地の名産菓子を贈ることもあります。
縁起物
縁起物には、文字通り縁起の良い品物を選びます。「しきたり品」という地域の風習に根付いた縁起物を用意する場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
- 「夫婦円満」を象徴する鰹節
- 「おめでたい」を連想する鯛茶漬け
- 「長寿」の願いを込めた梅干し
このように、縁起が良いとされている品物をチョイスしましょう。
引き出物にタオルを贈るなら今治タオルがおすすめ
引き出物の意味は、「披露宴に出席したゲストへ感謝を込めて贈る記念品」です。基本的なマナーを守り、おもてなしの気持ちで品物を選びましょう。
引き出物にブランドタオルを贈るなら、今治タオルがおすすめ。吸水性に優れ、高級感のある今治タオルは、おめでたい日の記念品にぴったりです。
一般的なタオルと比べてとても柔らかく、ふんわりとしたボリューム感のある肌ざわりで、使う人を幸せな気持ちにしてくれるでしょう。